2007年 06月 26日
時は流れて
悲別の駅をあとにして、僕は上砂川の町を歩き始めた。
ふと目を向けた短い路地の奥に4軒の飲み屋の看板が目に止まる。
そのうちの1軒から出てきた初老のご婦人とすれ違う。
カメラをぶら下げてうろうろしている僕と手持ち無沙汰な連れを見て、
 「このあたりに住んでたのかい?」
 「いえ」
 「どちらから?」
 「札幌です」
 「何も無いとこに来たねー」
 「・・・・・・・」
 「ゆうばり夕張って言うけどこっちのほうが寂しいよ。何にも無くなってしまった」
 「・・・・・・・」
 「旭川で生まれてずっとここに住んでるけど、もうじいさんばあさんばっかりだよ」
 「汽車はいつごろ無くなったんですか?」
 「25年、もっと前になるかなぁ。。砂川まで仕事に出てたからそん時に車の免許取ったんだよ」
 「砂川まで遠いですもんね」
実際の廃線は1994年、このご婦人にとって鉄道が無くなってからの時の流れは2倍なのかそれとも1/2か。。
 「気をつけてねー」
 「ありがとうございます」
ご婦人の後ろ姿に寂しさをあまり感じなかったのは何故だろう。。
振り返った僕はアウトフォーカスのままシャッターを押した。
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4軒のうち今もやっているのは1軒らしい。。。

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上砂川町 6/24撮影
PENTAX SP + Voigtländer ULTRON 40mmF2 SL Aspherical(FUJICOLOR REALA ACE)
プリントよりEPSON GT-9300UFにて取り込み

hiros by hiros_01 | 2007-06-26 20:16 | 街角から | Comments(12)
Commented by ariari at 2007-06-26 22:28 x
旅をして地方の現状を知るとどうしようもない複雑な感情が
こみ上げてきて、自分たちができることの無力さを知ります。
でも、街は死なないはず。どうすればいいのでしょう・・・
観光地とは言い難い街は本当に大変で。街の人とお話をして
お店に飛び込んで何かできないか考えちゃいます。
hirosさんの街撮りがずいぶん変わってきましたね。きっと
気持ちがどこかで変わっているのかも?
Commented by Amy at 2007-06-26 22:50 x
ご婦人の言葉とおり、夕張の悲鳴はこちらに聞こえてきますが
 この町の悲鳴は私達には届いていませんね。
 
Commented by atCommA at 2007-06-26 23:42
>振り返った僕はアウトフォーカスのままシャッターを押した。

この詩魂がすべてじゃなかろうか、と思いますです...
hirosさんが、この詩魂でもってこの街に接した、ってことが。
どの一枚も、その交感に満ちてるんじゃないかと。

拝見させていただく側は、その交感を傍から感じつつ、幾分かは我が身に置き換え照らし合わせ想像し...

hirosさんもariariさんも、"撮る"そのことによってじゅうぶんに、できることを最大限にやってらっしゃる...というと贔屓の引き倒しに聞こえてしまいましょうか(^^;
Commented by i_nosato02 at 2007-06-27 05:47
うーん 朝から、しみじみと文章と写真を味わっております。
Commented by hiros at 2007-06-27 06:14 x
ariariさん、おはようございます。
地方の街で己の無力さを知り、山や大地で己の小ささを実感する。
こんなことの繰り返しばっかりでやっぱり何も出来ないままの自分がいる。
もっといろんな場所を訪ねてみたい。もう少しその場所にいたい。

ariariさんはじめ、出会った皆さんからの影響は小さくないです。。
Commented by hiros at 2007-06-27 06:19 x
Amyさん、おはようございます。
上砂川だけじゃないんですよ。旧産炭地だけでもない。
全道にこういう町がたくさんあります。
でも、それを知っても何も出来ません。。
Commented by hiros at 2007-06-27 06:24 x
CommAさん、おはようございます。
たしかに、たとえお一人にでも見ていただき感じてもらえれば、それが今、
私に出来る全てです。
少しずつ、ほんとに少しずつですけど、伝えたいです。
Commented by hiros at 2007-06-27 06:28 x
i_nosatoさん、おはようございます。
いつも早朝よりご覧いただきありがとうございます。
少し前まで美唄(アルテピアッツァ)を通り越して上砂川の町を訪ねる自分はいませんでした。
Commented by のどか at 2007-06-27 17:44 x
↑ariari さんのコメント
>hirosさんの街撮りがずいぶん変わってきましたね

私も同じことを思っていました。
だけど、何を撮られても、
hirosさんのメッセージがちゃんと伝わっていると思います。

私自身、観光地としての北海道しか見ていなかったのですが、
hirosさんの写真を拝見して、
観光では知り得ない、北海道の一面を見せていただきました。
観光地で浮かれていた自分・・ 複雑な心境です。
Commented by 小樽ではたらく本部長 at 2007-06-27 20:21 x
> 振り返った僕はアウトフォーカスのままシャッターを押した。
グサリッというか、心の奥底からえぐられました。
「ラーメン専門」の看板とか、余計な言葉は必要ないですね。
「行かなくちゃならない」という衝動に駆られております...
Commented by hiros at 2007-06-27 21:37 x
のどかさん、こんばんは。
私も少し前までは北海道の一部だけしか見ていませんでした。
もちろん今でも広がったのはわずかですけど。
わかったような偉そうなことを言える立場じゃないですけど、今まで見てこなかったものにも目をむけ
いろいろと感じていれば、また違った北海道が見えてきて、次へのステップにもなるんじゃないかと。
「浮かれていた」っていうのは少し違うんじゃないでしょうか。
観光地へ行く、風景を楽しむ、自然を満喫する、どれも素敵なことですよね。
私もまだまだ行きたい場所はたくさんありますよ。もちろん観光地も。
うーん、うまく言えません。。煮詰まってきました。ゴメンナサイ。
Commented by hiros at 2007-06-27 21:41 x
本部長さん、こんばんは。
言葉は無くても伝わりますって感じです、こういう町を歩けば。
お互い「行かなくちゃならない」場所が多いですね。(笑)
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